ぼくが猫の行動専門家になれた理由
著:ジャクソン・ギャラクシー
出版:パンローリング株式会社
猫ヘルパーとしてアニマルプラネットで番組を持っているジャクソンギャラクシー。
この本では、彼の壮絶な人生と動物への思いを知ることができます。
保護施設での仕事内容には胸をしめつけられました…。
僕が猫の行動専門家になれた理由の内容
引っかく、かみつく、ところかまわずオシッコをするなど、猫の問題行動はいくつかあるが、「猫はしつけられない」と一般的に考えられてきました。
しかしそれを覆した男がいるのです。
これまでにない手法で猫の問題行動を解決するのは、世界中で“キャットダディ”と呼ばれるジャクソン・ギャラクシー。
ジャクソンのアドバイスを実践すると、猫たちは魔法にかかったかのように問題を起こさなくなるのです。
彼がこの神業ともいえる能力を手に入れたのは、ただ猫が好きだったからだけではありません。
生まれながらにして特殊な能力をもっていたわけでもないです。
彼が猫の問題行動を治せるのは、困難な人生のなかで、見捨てられ、虐げられた動物たちと出会い、さらに運命の猫“ベニー”と出会ったから。
本書は、猫のしつけのノウハウ本ではなく、ジャクソンがいかにして猫ヘルパーになったのかを中心に書かれています。
感想
ドラッグとバンドに明け暮れ、倉庫に住むギャラクシージャクソンは、経歴を偽り動物の保護施設で働き始めます。
薬でぼうっとしながら、犬猫の獣の匂いに頭を抱えながら仕事をこなしていくジャクソン。
施設の職員は安楽死の仕事もしなければならない。
安楽死の方法、ジャクソンの心境が書かれているページはとても胸が詰まりました。
安楽死させているからと言って、ジャクソンが犬猫を嫌っているかというと、もちろんそうではありません。
これは誰かがやらなくてはいけないことなのです。
1990年代当時は殺処分を受ける動物の数も多く、そんな中でジャクソンは里親に気に入られるように犬に芸を覚えさせたりします。
それでもすべての命を救うのは不可能で。
ジャクソンはやるせなさを感じます。
そしてジャクソンは運命的な出会いを果たします。
猫のベニーは病気持ちで見た目も悪く、乱暴で貰い手はぜったい見つからないと言われる猫でした。ジャクソンはベニーを譲り受けます。
ベニーと暮らしていく中で、ジャクソンは苛立ちを覚えますが、それ以上の愛情を抱きます。
背骨が折れて腰がまがったベニーを一生懸命愛するジャクソンの優しには胸がジーンとしました。
しかし病気は進行し、薬物治療が始まります。治療という名の拷問を毎日行っていると気づくと、ジャクソンはもう止めようと決めます。
そして呼吸をするのもやっとなベニーを天国へ送ります。
涙なくしてこの章を読むことはできません。
あまり読みやすい文章とは言えないし、話が紆余曲折する本書ですが、ジャクソンが猫ヘルパーになったきっかけや猫への思いを知ることができるので、ジャクソンギャラクシーについて知りたい方にはおすすめの本です!
猫と仲良くなるためのワンポイント
本書には猫と仲良くなるためのアドバイスがついています。
- 眼鏡をかけている人は眼鏡のツルを猫に差し出してみよう!耳の後ろは強い匂いを発するのであなたの匂いを猫が覚えてくれる。
- それから人差し指を出して、匂いをかがせよう。そうすれば猫とあなたはもう知らない仲ではなくなる。
- 興奮した猫に理屈は通用しない。だが運動させることで好ましい方向にエネルギーをそらすことができる。
- 過度に身体を揺すったり、撫ですぎたり、攻撃的な遊びをすると猫は興奮してしまうのでやめよう。
猫を飼う上で知って置いて損はない情報ばかりです。
トイレ問題の解決方法や猫の居場所についても言及しています。
ぜひアドバイスの項目だけでも読んでみてください。
まとめ
「ぼくが猫の行動専門家になれた理由」は、猫ヘルパーの人生や猫への想いに触れることができる一冊です。
猫が好きな方、殺処分の実態が知りたい方はぜひ読んでみて下さいね。
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